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トリミング・トレーニングコラム

2026.08.24

知っておきたいトリートメントの「意外な刺激」

FREEWAN  八尾本店 髙先陽子

 

こんにちは。

前回のコラムでは、愛犬の健康で美しい被毛を育てるには「地肌ケア」が何より大切というお話をしました。今回はさらに一歩踏み込んで、毎日、あるいは定期的に使う

 

「シャンプー剤の基本」と、仕上がりを良くするための「トリートメントやコンディショナーの隠れたリスク」

 

についてお話しします。

 

「良かれと思って使っているケア用品が、実は地肌の負担になっていた……」という悲しいすれ違いを防ぐために、ぜひ知っておいていただきたい知識です。

 

そもそも「シャンプー剤」は何でできている?

世の中にはたくさんの犬用シャンプーがありますが、その基本構造はどれもシンプルで、大きく分けると3つの要素で構成されています。

 

  1. 水(約70〜80%
  2. 界面活性剤(約10〜20%:汚れを落とす洗浄成分。シャンプーの「質」を左右する最も重 要な要素です。
  3. 美容・調整成分(数%):保湿成分、防腐剤、pH調整剤など。

 

ここで一番のポイントになるのが 「界面活性剤」 です。

ワンちゃんの皮膚は人間の3分の1ほどの薄さしかなく、非常にデリケート。そのため、洗浄力が強すぎるもの(高級アルコール系など)は、皮膚に必要な脂分まで根こそぎ奪ってしまい、深刻な乾燥を招きます。

 

地肌に優しいシャンプー選びの基本は、 

「アミノ酸系」や「ベタイン系」「グルコシド系(糖質系)」 といった、汚れは落としつつもマイルドに洗い上げる洗浄成分がベースになっているものを選ぶことです。

これは人も同じ!!

 

 

トリートメントやコンディショナーの「刺激」に要注意!

シャンプーの後に「もっと毛並みをサラサラにしたい」「もつれを防ぎたい」と、トリートメントやコンディショナー(リンス)を使う方も多いと思います。

ここで シャンプーソムリエ・トリマー として声を大にしてお伝えしたいのが、**「トリートメント類の多くは、シャンプー剤よりも皮膚(地肌)への刺激が強い」**という事実です。

 

なぜ髪がサラサラになるのに、肌には刺激になるの?

トリートメント等に配合されている「カチオン(陽イオン)界面活性剤」という成分は、マイナスの電気を帯びた傷んだ被毛にピタッと吸着し、静電気を防いでコーティングする素晴らしい働きを持っています。

 

しかしその反面、この成分は**「皮膚のタンパク質を細胞レベルで変性(刺激)させやすい」**という強い性質を持っています。

 シャンプー剤: マイナスの電気(アニオン)を帯びており、汚れを包み込んで**「洗い流されること」**を前提に作られています。

 トリートメント類: プラスの電気(カチオン)を帯びており、被毛に**「残留すること」**を前提に作られています。

 

つまり、トリートメント剤が地肌にべったり付着したり、すすぎ残しがあったりすると、デリケートな皮膚の上に刺激性の高い成分がずっと残り続けることになり、赤み、痒み、フケなどの皮膚トラブルをダイレクトに引き起こしてしまうのです。

 

愛犬の地肌を守るための正しいケア3ヶ条

トリートメントやコンディショナーは、正しく使えば被毛を保護し、日々のお手入れを楽にしてくれる心強い味方です。だからこそ、次の3つのルールを徹底しましょう。

 

 【その1】地肌には極力つけず、「毛先」を中心に馴染ませる

基本的には皮膚にすり込むものではありません。地肌を避けて、被毛の中間から毛先にかけて塗布するのが鉄則です。※皮膚ケア専用に作られた一部の低刺激スキンケア用製品を除きます。

 【その2】これでもか!というくらい、徹底的にすすぐ

「ヌルつきが残っている方が潤っている気がする」というのは大きな誤解です。そのヌルつきは刺激成分そのもの。皮膚トラブルを防ぐために、シャンプー時以上にしっかりと、地肌から完全に洗い流してください。

 【その3】シャンプー一体型(リンスイン)は成分をよく見極める

1回で済むリンスインシャンプーは便利ですが、本来「反発し合う性質(マイナスとプラス)」の成分を無理に混ぜ合わせているため、洗浄力が中途半端になったり、逆に地肌への残留性が高くなったりする製品もあります。愛犬の皮膚が弱い場合は、単一の低刺激シャンプーと確実な保湿ケア(ミスト等)に分けるのがおすすめです。

 

最後に:見ための美しさは、健やかな土台があってこそ

サラサラでツヤツヤな被毛はとても魅力的です。しかし、それを求めるあまりに土台である「地肌」を痛めてしまっては本末転倒ですよね。

ワンちゃんのシャンプータイムは、単に「毛をキレイにする時間」ではなく、**「皮膚の健康をコントロールするスキンケアの時間」**です。

成分の特性を正しく理解し、シャンプーは優しく地肌から、トリートメントは毛並みを労わりながら安全に。

 

大切な愛犬が、10年後も健やかで健やかな皮膚と美しい被毛をキープできるよう、日々のサロンワークでも1頭1頭の皮膚に合わせた最適なプロの手技と薬剤選定を徹底しています。気になる成分や洗い方のコツなど、何でもお気軽にご相談ください!

 

FREEWAN  八尾本店 髙先陽子

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