トリミング・トレーニングコラム
2026.06.29
犬の汗
FREEWAN トリマー 水野里美
いつもFREEWANコラムをご覧いただきありがとうございます。
夏も真近ということで、本日は犬の汗についてお話します!
結論としてそもそも犬は「ほとんど汗をかかない」
人間のように全身から汗をかいて体温を下げることはほとんどありません。汗腺は存在しますが、その役割は限定的で、主な体温調節は「パンティング(口呼吸)」によって行われています。
■ 犬の汗腺の種類
犬の汗腺は大きく分けて2種類あります。
・エクリン腺(肉球にある)
・アポクリン腺(全身にあるが汗ではなくフェロモン分泌)
まず、肉球にあるエクリン腺。これは人間の汗に近い働きをしますが、体温を下げるほどの量は出ません。緊張したときに床に足跡がつく、あれがわかりやすい例です。
一方、アポクリン腺は全身にありますが、これは体温調節ではなく、におい(個体識別)に関わるもの。つまり、人間のような「全身で汗をかいて冷やす」という仕組みがそもそも備わっていないのです。

肉球あたりに汗や蒸れで皮膚が炎症し、足の裏の皮膚が赤くなっています。
■ 足裏の汗と舐めグセ
犬の汗腺は肉球にあるエクリン腺が中心で、体温を下げるほどの発汗はできません。全身にあるアポクリン腺は体温調節ではなくにおいに関係します。
肉球は汗をかきやすくムレやすいため、かゆみや違和感から舐める行動が起こります。これが続くと、子どもの爪噛みのようにクセになることがあります。
対策は、足裏の毛を整える・濡れたらしっかり乾かす・保湿ケアを行うこと。さらに、退屈や不安を減らす工夫も大切です。続く場合は皮膚トラブルの可能性もあるため相談が必要です。

個体差にもよりますが、この子は性格的にも分離不安や足裏の汗により足先を舐め、被毛の色が変色してしまいました。
■ 被毛とトリミングの重要性
被毛は「暑さを防ぐもの」です。外気の熱や紫外線を遮断し、体温を一定に保ちます。特にダブルコート犬種は、短くしすぎると逆に熱がこもりやすくなる場合があります。トリミングで、不要な毛を取り除きながら通気性を整えることで、快適さと健康を両立させます。

犬は「汗に頼らない動物」です。だからこそ、呼吸・被毛・生活環境、そして足裏の清潔と乾燥を意識することが重要です。この基本を押さえるだけで、日常の快適さと健康は大きく変わります。🐾
水野里美