トリミング・トレーニングコラム
2025.10.31
犬の体臭
FREEWAN トリマー 水野里美
いつもFREEWANコラムをご覧頂きありがとうございます。
突然ですが、愛犬がたまに臭うな…と感じることはありませんか?
どんなにきれいにしている犬でも、完全に無臭ということはありません。
今回は犬の体臭についてお話します。
 
《犬の汗腺について》
犬の体が匂いやすい理由のひつとつとして、ほぼ全身にアポクリン腺という汗腺があることが挙げられます。
アポクリン腺は皮脂腺と同様に毛穴と直結しており、ここから出る汗や皮脂が常在菌に分解されることで特有の臭いを発生させます。
この汗腺は人間にもあり、脇など一般的に臭いが強いとされる場所にあります。
これを踏まえると、全身にアポクリン腺がある犬の体が臭くなってしまう理由が理解しやすくなるのではないでしょうか。
 
《気になる体の臭い》
・耳
頭をよく降る、耳をかく仕草が多い、耳の中や周りに汚れが付いている場合は、耳にトラブルが起きているサインかもしれません。
特に垂れ耳の犬種は通気性が悪いため、週に1回のお手入れで耳を清潔に保ちましょう。
・口
犬は人に比べ虫歯になりにくいですが、その分歯周病になりやすく、3歳以上の犬の約80%は歯周病だと言われています。
歯周病や歯石がたまると口臭が強くなることがあるので、毎日のデンタルケアを心がけましょう。
・皮膚
べたつき、ふけ、赤み、痒みなどが見られることがあります。
犬は人より皮膚が薄いため、とてもデリケートです。
年齢や皮膚状態によって異なりますが、基本は月1~2回の頻度でお肌の状態に合わせたシャンプーを行いましょう。シャンプー前にはブラッシングで毛玉や抜け毛を取り除き、シャンプー後はしっかり乾かすことが大切です。

・肛門まわり
おしりを床にこすりつける、肛門を気にしてなめる、赤く腫れる、強く匂うなどのサインがある場合、肛門線が溜まっていることがあります。
肛門線には独特な分泌液が溜まりますが、自然に排出されない事があります。
これが原因で上記のサインが出ることがあるため、月に1回程度絞る習慣をつけましょう。

犬の臭いを軽減するには、原因を知ることが大切です。
原因が特定できたら、その部位を正しいお手入れ方法で清潔に保ちましょう。
ただし、臭うからといって洗い過ぎると、かえって乾燥が進み悪化することもあるので要注意です。
もちろん、人と同じでその子の生まれ持った体質や犬種、食事内容、生活スタイルによっても差があります。
犬の体臭は衛生上だけの問題ではなく健康にも大きく影響します。
いつもと違う匂いがする、急に匂いが強くなったなど変化を感じたら、どこが臭うのかを確認し、犬の仕草や行動を観察してみてください。
水野里美